お世話になります。
本日は、ブロック組積より、区割/間仕切りブロックのご説明をさせて頂きます。
一般の方にもお読み頂けますよう。簡易的に記載させて頂きますので、ご参考として頂けませば幸いです。
参考:【 建築基準法令 】【 宅地造成規制法 】
【 日本建築学会 】
【 境界区割/間仕切りブロック 】
組積高さ=1.2m以下(6段組積)
〇基礎構造
原則。生コン強度18N以上の生コンクリート( セメント+砂利+砂 )にて、基礎形状をL型・逆T・I型とした布基礎とします。
上記施工方法以外でも、基礎の立ち上がり部(布)をCP型枠にて代用施工をするという方法があります。その際には、グラウト充填の生コン強度は24N以上と規定されております。
また、地上高さより2段(40㎝)以上のブロック塀を施工する際、布基礎の高さは35㎝、基礎の地中埋め込み深さは30㎝以上とする事が定められております。
※1.モルタル(砂+水)での現場練り施工は、強度上の観点より、認められておりません。
また、L型・逆T型基礎では、鉄筋をD10(径=1π-パイ)とし、横鉄筋を2本並列、縦鉄筋をL字90°の加工にて80㎝間隔毎に1ヶ所以上、これを設けなければいけません。
※I型基礎では余長長さ4D・内法径2Dのフック筋とします(余長長さ差異=±15㎜迄)
その際、縦鉄筋では、原則、溶接以外の手段を用いた鉄筋の継手を行ってはいけません。
※2.ブロックの組積後。無加工の鉄筋を後から差し込むことは禁止です。(業界用語では、これを差筋と言います)
参考図面:解り良くする為、手書記載。
参考:ブロックの基礎の内部構造写真です。(左)
此方は、土留めも考慮されております為、基礎のワイドが広く設計されております。
※基本的な考え方は同じですので、参考として頂けませば幸いです。
※CP型枠(全段型枠ブロック/シングル鉄筋D10)4段組積み
〇使用ブロック
上記、図面の布の部分に置いては、CP(型枠ブロック)のみ、基礎として認められております。
上記の規定により、基礎形状の布部分にCB(C種 重量ブロック)を使用してはいけません。
※3.布=基礎の立ち上がり部位。
布部=高さ20㎝
平部=高さ15㎝
布部+平部=基礎の成35㎝(基礎全高)
※4.透水性ブロックの為、浸透した雨水等を原因とし、製品の劣化、内部鉄筋の錆や腐食を促進します。また、上記の理由により、地上高40㎝以上のブロック塀に置いては、CBを土に触れさせて組積する事は危険な為、認められておりません。
CPとCBでは、全く別の製品となります。下部にて、参考価格及び、参考画像を載せさせて頂きます。
〇参考商品価格(作業代別/飯能)
ESB/レコム150 1本 = 1180円(定価/端部・水抜き)
一般/CB150 1本= 158円 (定価/端部)
生コン1㎥= 概13000円(18N)
生コン1㎥= 概14500円(24N)
C40-0 1㎥= 概3400円
RC40-0 1㎥= 概1500円~2000円程度
残土処分費 1㎥= 概3500円
残土処分費(粗悪度)1㎥=概4500円
グラウト充填圧送車 = 35000円(ワンマン/作業員1人)
※配管延長 = 1管毎、概500円~1000円
参考画像:左=CP(基本) 右=CB(基本)
参考例:ネット検索にて工事状況なども確認できます。
〇 型枠ブロック CP CP型枠
〇 重量ブロック CB C種重量ブロック
〇基礎下地(砂利)
原則。C40-0、又はRC40-0を使用。この際、転圧・締固め後の敷厚みは10㎝とします。
※5.原則、その他の砂利では締め固まりません。
〇控えブロックの設置
1.平型基礎→1.2mを越えるブロック塀
2.布基礎 →1.6mを越えるブロック塀
1~2共、張壁長さ3.4m以内毎に、ブロック天端より-25㎝以内、ブロック塀の高さより5/1以上、直角方向へと突き出させた長さにて1ヶ所設置。
この際、鉄筋は曲げ角度90度の鍵掛にて、余長長さ25㎝。又は、フック筋にて余長の長さ4D及び、曲げ内法径2Dにて定着をすることが規定されております(余長長さ差異=±15㎜迄)
・補足
補足と致しまして、安価な工事を行う際の施工手段として、上記注意事項(※1~※5)に記載させて頂きましたモルタル基礎にて差し筋をしている現場が多く見受けられます。
一見、木枠などを用いて、しっかりと施工しているようにも見られますが、実際に行われる工事は無責任な物がほとんどです。近年。ひどい業者では、木枠すら設置せずに、掘った溝にモルタルをそのまま敷いて組積をしてしまう業者も多々と見受けられます。
勿論。鉄筋は無加工の差し鉄筋です。
参考画像:モルタル基礎/無鉄筋・差し鉄筋
この様な場合。風圧災害を鑑みませば、当然ながらフェンスの設置は非常に危険であることは勿論。最悪の場合は倒壊・崩壊事故にも繋がり兼ねません。
業者をお選びなされます際には、お見積もりの金額のみを見られるのではなく。実際に、その工事が、どのように行われるのかを、しっかりと確認して頂くことが大切です。
参考例:合い見積もり時の価格差異と評価
①A社・・・施工基準厳守=60万円
※工事説明は無 (★★)
・価格としては標準と言えるが、工事の内容が不透明。
B社・・・施工基準無視=30万円
※工事説明は無 (★)
・極端に安いが、対象の工事に対し、金額が非現実。
②C社・・・施工基準厳守=57万円
※工事説明のみ有 (★★)
・価格としては標準。しかし、契約不適合の可能性を含む。
D社・・・施工基準無視=45万円
※工事説明は無 (★)
・比較的に安いが、対象の工事に対し、金額がやや非現実。
③E社・・・施工基準厳守=70万円
※工事説明のみ有/施工写真無 (★★)
・価格的にも高く、また、契約不適合の可能性を含む。
F社・・・施工基準厳守=58万円
※工事説明有り/施工写真有 (★★★)
・価格としても標準であり、工事の内容も明確に確認が可能。
以上
近年。ブロック倒壊事故による悲しい事故。土砂崩れによる痛ましい事故などのニュースが頻繁に見受けられております。
ずっと、在り続ける物ですから、安心・安全な工事をお願い申し上げます。
最後までお読み頂き、ありがとう御座いました。
厚生労働大臣認定 一級建築ブロック技能士
スタイル クリエイト 鎌田 亮
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